海外の天文ファンとの交流
宇宙や天文は世界共通の話題だからでしょうか、天体写真を趣味や仕事にしていると、 国内だけに留まらず、海外に住む天文ファンとも交流が深まり、仲良くなることがあります。
このページでは、特に仲が良い外国の星仲間にご登場いただき、 天文仲間と出会った経緯や、海外の天文活動の様子をお伝えしています。
ちなみに、現在は、FacebookをはじめとしたSNSを通じて、 国外の天文仲間とも容易に交流できますが、昔は、メールを通じてのやり取りが主でした。
アメリカの天文ファン
アメリカの天文ファンの中で、最も仲良くしているのが、 カリフォルニア州に住むGaBanyさんです。
GaBanyさんは、天体写真家としても有名な方で、 同じ天体望遠鏡(タカハシμ-300)を使っていたのがご縁で交流が始まり、仲良くなりました。
GaBanyさんのカリフォルニア州サンノゼ市のご自宅にお邪魔した時は、 アメリカと日本の天体望遠鏡の違いから、各カメラメーカーの裏話で盛り上がり、 時が経つのを忘れるほど話し込みました。
アメリカのGaBanyさん。リック天文台の見学後に撮ったスナップ
GaBanyさんは、以前は郊外の星が良く見える、カリフォルニア州郊外まで遠征して天体撮影されていましたが、 現在はニューメキシコ州に設置したリモート天文台で撮影を続けられています。 私も日本からリモートで天文台を使わせていただき、大型望遠鏡の解像力の高さを感じました。
アメリカでは、天文同好会の活動が盛んで、各都市の公民館で同好会主催の天文講習会が定期的に開かれています。 私も2度、同好会主催の天文イベントに参加させていただきましたが、 地域住民の方が大勢集まり、宇宙や星空についての質問を積極的にされていたのが印象的でした。
アメリカ航空宇宙局(NASA)が国内に存在する影響でしょうか、皆さん、 宇宙について関心があり、知識も豊富のように感じました。 日本でも宇宙に興味を持たれる方が増えればいいなと感じた次第です。
ドイツの天文ファン
ドイツの天文ファン、Hansさんとは、前のWebサイトを立ち上げていた時にメールをいただいてからの長い付き合いです。
Hansさんは、フランクフルトの南にあるダルムシュタットにお住まいの天文ファンで、 天体撮影の時は、機材一式をバイク(オートバイ)に積んで出かけています。 お気に入りの撮影場所は、ドイツの隣の国チェコにある国立公園だそうです。
Hansさんと、ずっとお会いしたいと思っていたところ、パリの友人宅にしばらく滞在する機会に恵まれました。 滞在予定をHansさんに伝えたところ、ドイツから飛行機で、私が宿泊していたホテルに会いに来てくれました。
Hansさんは、私にパリまで行くことを伝えず、知らないうちに同じホテルに宿泊していました。 朝食会場で声を掛けられた時は、本当にびっくりして、時差ボケが吹き飛びました。サプライズですね。
ドイツからパリまで会いに来てくれたHansさん
その日は一日、Hansさんとパリ観光を楽しみ、私たちは天文の話題を超えて様々なことを話しました。 Hansさんが特に興味を持って私に尋ねたのは、日本の文化と日本語についてです。
Hansさんの「日本語には、平仮名、カタカナ、漢字と様々な言葉があるけど、 日本人はどうやってそんなに多くの言葉を覚えているの?」 という質問が、今でも強く印象に残っています。
台湾の天文仲間
台湾の王さんは、天体望遠鏡ショップにお勤めの天文ファンです。 日本の天体望遠鏡についてのご質問が縁で知り合い、今では最も頻繁に連絡を取っている友人の一人です。
王さんと初めて直接お会いしたのは、私が台湾に旅行に出かけたときです。 お勤めの天体望遠鏡ショップでお会いしたのですが、 中国語がわからない私に対して、勉強を始めたという日本語で話してくださいました。
その後、台湾には頻繁に訪れるようになり、王さん以外にも、天文学者で天体写真家としてもご活躍されている王さん、 天文ガイド誌面でお馴染みの呂さんともお会いしました。 特に呂さんとは、カメラのイベント(CP+等)でもお会いし、交流を深めています。
台湾の天文ファンの皆さん。日本製ポータブル赤道儀の話題で盛り上がりました
台湾の星空の状況は日本と似ていて、都市部の夜空は非常に明るいので、 天体撮影を楽しむ時は、かなり遠くまで出かけているそうです。
皆さんのお気に入りの撮影地は、阿里山の頂上手前にある広大な広場だそうで、 標高が高いので澄んだ星空の下で撮影を楽しめる場所だそうです。 ただ、高山のため快晴の天気予報でもガスが出て星空が覆われることが多く、 晴天率が低いのが困りものとおっしゃっていました。こういうところも日本と似ていますね。
台湾では天文趣味が盛んで、たくさんの天文同好会があります。 ただこのような天文同好会はどちらかというと初心者やご家族向けで、天体写真ファンは同好会にあまり属していないそうです。 日本では、数多くの天体写真同好会がありますので、少々事情が違いますね。
同好会以外では、中学校や高等学校には天文部が設置され、盛んに活動しているそうです。 王さんは天文部の顧問としても活動されていて、毎年、天文部員の皆さんが撮影した画像やハガキを送ってきてくれます。 部活動の様子が写った写真を見ると、学生さん達はとても楽しそうで、活動的に天文を楽しんでいます。
天文活動以外にも、台湾には、GSOをはじめとした天体望遠鏡メーカーがあり、 世界でも高評価を得ています。 実際、日本でも多くの天文ファンが台湾製の機材を使用していて、私もいくつかのパーツを愛用しています。
一方、台湾の天体写真ファンの間では、日本製の天体望遠鏡の評価が非常に高く、 王さんや呂さんをはじめとしたベテランは、タカハシ製の天体望遠鏡で天体撮影を行っています。 特に呂さんは、日本の新製品情報には敏感で、私が使っている日本製品の話に興味津々でした。