ミード天体望遠鏡の特徴
ミード天体望遠鏡を使った印象や、メーカーの特徴をまとめたページです。 作者の見解や印象も多分に入っていますので、軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。
ミード天体望遠鏡
ミード天体望遠鏡はアメリカのMeade Instruments Corporationの製品です。ミードはワールドワイドに天体望遠鏡販売を 行っている企業で、日本ではミックインターナショナルが総代理店となっています。
天体望遠鏡を作っている企業の規模としては最大級で、天文ファン以外の知名度も高いのが特徴です。 小さな初心者用の天体望遠鏡から、天文台クラスの大口径望遠鏡まで取り揃えている企業です。
いち早くエレクトロニクスを取り入れ、赤道儀の自動導入や経緯台タイプのコンピューター制御架台を 製品化したのがミード天体望遠鏡の美点です。新しい技術取り入れる流れは今でも生きており、最新型の高級天体望 遠鏡、RCX望遠鏡シリーズでは、リッチークレチアンという複雑光学系を取り入れ、光軸調整やピント合わせ装置をモーター化 するなど、より新しい技術を取り入れた製品作りをしています。
幅広いラインナップと大口径
ミード天体望遠鏡と言えば、シュミットカセグレン天体望遠鏡が日本では有名です。 20センチクラスから40センチオーバーの製品まで、幅広い製品が揃っているのが特徴で、日本製品にはない コンパクトな鏡筒と大口径が魅力の製品群です。 またミード天体望遠鏡を載せる架台は、フォーク式という独特の形式です。日本でよく使われるドイツ式赤道儀とは、 全く違ったタイプの架台で、そのスマートさから観望派の方に人気があります。
天体望遠鏡以外にも、接眼レンズやCCDカメラなど、天体観測で必要となる付属品のラインナップが豊富なことも ミードの特徴です。ミード一社ですべての用途の製品が揃うほどの製品群です。 特にミード製のアイピースは、高性能なものが安価で手にはいるので天文ファンに根強い人気があります。
フォーク式赤道儀を使ったタイプの天体望遠鏡以外にも、観望用と割り切ったドブソニアンタイプも製造している 企業です。最近では、ライトブリッジという持ち運びしやすいドブソニアンを発売し、天体観測ファンに人気が 出てきています。
持ち運びしにくいミード天体望遠鏡
フォーク式赤道儀に載せられたミード天体望遠鏡は、格好が良く魅力的なのですが、フォーク部分と天体望遠鏡 本体部分が切り離せないので(一部外れるものもあります)、持ち運びするとなると面倒となります。
特に大口径クラスの天体望遠鏡となると、だだでさえ重い天体望遠鏡の重量にフォーク部分の重量が加わるため、 自宅でも設置撤収は困難となります。 25センチを超える天体望遠鏡は、自宅観測所や天文台など恒久的に設置できる場所がある人向けと言えるでしょう。
上記のようなフォーク式赤道儀の特徴があることもあり、日本で天体写真を撮影する人にはミード天体望遠鏡は あまり人気がないのが実状です。
フォーク架台から天体望遠鏡を取り外せないので、望遠鏡購入後に架台だけステップアップするということ がしにくいのも残念な点です。今後、天体写真を撮ったりとステップアップを考えている方は、ドイツ式赤道儀と 組み合わせた製品(LXD75シリーズ)も登場しましたので、こちらを選ばれるのがベストでしょう。
小型の卓上望遠鏡は大人気
ミード天体望遠鏡のシリーズに、ETXシリーズという小型の卓上天体望遠鏡があります。 少し前までは、ミードETX-70ATという機種が出ていましたが、これが初心者に非常に人気がありました。 最近は10mm口径がアップして、ミードETX-80ATとなって再登場しています。
このミードETX-80AT望遠鏡の魅力はずばり低価格です。自動導入装置が付いているにもかかわらず、 4万円程度の価格で購入できます。コストパフォーマンスという意味では、素晴らしい望遠鏡です。
ただし8センチという屈折望遠鏡でF値が5と明るいので、望遠鏡自体は色収差が少し目立つ設計です。 どちらかというと、星空の綺麗なところで星雲や星団を観望する向きの望遠鏡です。 コンパクトなのでキャンプにも持って行きやすいシリーズです。