タカハシ天体望遠鏡の特徴
使用者から見た天体望遠鏡各メーカーの特徴を書いたページです。 個人の見解や印象などが大いに入っていますので、軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。
高橋製作所(タカハシ)
高橋製作所の製品は、性能が優れていることで世界的に評価が高く、高度な天体写真を撮影するハイアマチュアに人気があるメーカーです。
現在のところ、アマチュア用天体望遠鏡としては、最も高い性能を持つ望遠鏡をラインナップするメーカーの一つです。
その製品作りは性能を重視したもので、無骨なデザインでも性能はピカイチを目指すというポリシーが創業当時から感じられます。 しかし他社に比べると製品の設定価格が高いため、おいそれとは手が出ない価格の天体望遠鏡ばかりです。
光学性能の高さが魅力
天体望遠鏡でも赤道儀でも、性能と信頼性の高さがタカハシの優れた点でしょう。 TOA130望遠鏡を初めとした天体望遠鏡は、 世界的に見ても素晴らしい光学性能です。 登場以来、安定した人気を誇る赤道儀のタカハシEM200は、扱いやすさと性能がマッチしてベストセラー赤道儀となりました。
一度購入すると長く愛用できるのが、タカハシ天体望遠鏡の一つの利点と言えます。 大きなモデルチェンジが頻繁にないので、新製品の登場をあまり気にせずに使い続けることが出来ます。 また、もしモデルチェンジがあっても、逆に愛着を持ってその望遠鏡を使い続けられるのもタカハシの天体望遠鏡製品です。
新しい光学系を次々と投入しているメーカーで、ε180ED望遠鏡を代表とするイプシロン光学系や、 トリプレットアポクロマートのTOA130望遠鏡、それに天体写真撮影に最適化された、FSQ106-ED望遠鏡など、 複雑な光学系を精度良く作るのが得意なメーカーです。
価格の高さはネック
性能は抜群ですが価格の高さは、購入者にとって気になる点です。 性能の高さからすれば安いと言われても、一番安い赤道儀と天体望遠鏡のセットモデルでも、数十万の出費は必要になってきます。 ベストセラーのEM200Temma2赤道儀も、赤道儀と三脚だけで50万円以上と高額です。
タカハシの天体望遠鏡は、普通の人の感覚からすると簡単には購入に踏み切れない価格帯です。 そのため、いきなりタカハシ天体望遠鏡を買う人は少なく、他メーカーから鞍替えしてきた人がほとんどです。 天体観測入門者にはほとんど見向きもされないメーカーで、量販店では取り扱ってさえいません。
赤道儀の組み立て精度などは素晴らしいのですが、天文に対してのある程度の知識がないと使いにくいのが残念な点です。 製品に付属する各マニュアルも簡潔そのもので、ベテランにはシンプルでわかりやすいのですが、初心者には理解しがたいかもしれません。 赤道儀のコントローラーもボタンが並んだだけの無骨なもので、天体観測に慣れた人でないと使いにくいでしょう。
また、タカハシの天体望遠鏡は、精度や信頼性を重視して作られているため、他社製よりも大きくて重く作られています。 ですので、同じ口径の望遠鏡を使うと、一ランク上の架台が必要となってきます。 もう少し肉厚を削って作れるものは、軽く作って欲しいというのが使用者の本音かもしれません。
ロングセラーと技術革新
タカハシの代表的な赤道儀と言えば、EM200赤道儀です。
この赤道儀は、天体望遠鏡界では希に見るヒット商品となりました。
有名な観測地に行けば、多くのユーザーと出会うことができるでしょう。
当初は最大速16倍だったEM200赤道儀は、モーターが変更されたり自動導入機能が付けられたりして、何度かのマイナーチェンジが行われました。 現在の最新モデルはEM200Temma2Mとなり、過去最高の自動導入速度を誇っています。
タカハシの赤道儀は、昔から、赤道儀の型に加熱して溶かした金属を流し込み、 冷えて固まった頃に型から取り出して整形を行う、鋳物という方法で造られてきました。 鋳物は赤道儀の振動を抑えるのに有効に働きますが、逆に重量は増してしまうというデメリットがあります。
一方、海外製の赤道儀を見てみると、高精度な加工ができるCNC加工機を用いて造られることが多くなっています。 鋳物に比べるとデザインの自由度が高まり、部品結合部の精度も上がるので、これからの主流と考えられています。 また、駆動回路にも工夫が凝らされたものが多く、高級機には産業用ロボットで使われるハーモニックドライブが使用されています。 こうした赤道儀は、エレクトロニクスとの親和性も高く、PEC機能と合わせると従来機では考えられなかった追尾精度を実現しています。
TOAシリーズやFSQシリーズを初めとした鏡筒では、世界をリードするタカハシですが、赤道儀の開発では世界に一歩遅れを取っていると思います。 これはEM200のヒットに安心しすぎてしまって、EM200を超える新しい機種の開発に踏み切れなかったためではないでしょうか。 是非ともこうした新しい世界の流れを取り入れて、魅力的なタカハシの新赤道儀を世に出して欲しいと願っています。