ピクセルの補間方法
ワイド液晶ディスプレイの画面解像度は、1920×1200ピクセル相当が一般的です。 この解像度を画素数に直すと、230万画素程度になります。 最新のデジタル一眼レフカメラは、2,000万画素オーバーですから、約9倍のピクセル数があることになります。
デジタル一眼レフカメラで撮った画像を、ワイド液晶ディスプレイに合うサイズの画像にリサイズしようと思えば、 ピクセルを縮小する必要があります。 また逆に、液晶ディスプレイに表示された小さな画像を、A4サイズにプリントしようと思えば、 ピクセルの拡大が必要になります。
これらのピクセル補間には、いくつかの方法があり、採用する方法によって仕上がりの画質が異なります。 Photoshopには、大きく分けて3つの補間方法が用意されていて、 目的に応じてピクセル補間の方法を選ぶことが可能です。
バイキュービック法
各画像ピクセルだけでなく、周りのピクセルの色や濃度に基づいて補完を行う方法です。 精度が最も高く、写真のグラデーションも損なわれにくいので、画像を扱うシチュエーションでは、 この方法が多用されています。
また、バイキュービック法には、オプションで「滑らか」「シャープ」などを選ぶ可能です。 拡大するときは「滑らか」を、縮小するときには「シャープ」を選ぶと、 目的に合った結果が得られやすくなります。
ニアレストネイバー法
ピクセルをそのまま複製する方式です。 ホームページのデザインに使用するアイコンなど、小さな画像をリサイズする場合に有効です。 グラデーションのある写真をこの方法で拡大すると、ピクセルの補間が行われないため、 画像の階調が損なわれます。 イラストや小さなアイコン向きの方法です。
バイリニア法
バイキュービック法の精度を低くして高速化したような補完方法です。 ピクセルの補間は、周りのピクセルのカウントを平均化することによって行われるので、 高速に処理することができます。 画像サイズの大きな画像を扱ったり、パソコンのマシンパワーが低い時代にはよく使われていましたが、 画像処理を行うパソコンの処理速度が向上した現在では、あまり使われなくなりました。
Photoshopのコマンドに「滑らかなバイキュービック法」が設定されていなかった頃は、 このバイリニア方法とバイキュービック法を組み合わせて使って、目的の結果を得るという裏技もありました。