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津別峠展望台 北海道の満天の星空

津別峠の星空

津別峠(つべつとうげ)は、北海道網走郡にある津別町と屈斜路湖の境に位置する峠です。 この津別町と屈斜路湖を結ぶ道路から分岐した林道の終点にある津別峠展望台からは、眼下に屈斜路湖を一望でき、 遠くは知床半島の山々も遠望することができます。 気軽にアクセスできる場所ではありませんが、今回テレビ収録で訪れることが出来たので星空の様子をまとめてみました。


津別峠へのアクセス

津別峠展望台の建物 東京や関西から津別峠にアクセスする場合には、まず北海道に飛行機で行く必要があります。 最も便利な空港は、女満別空港でしょう。関空から女満別空港まで一日1本定期便が飛んでいます。 約2時間半のフライトでした。

女満別空港からはレンタカーで南下するとアクセスし易いと思います。 今回は国道39号線を使って南下した後、国道243号線を使ってまずは屈斜路湖へと向かいました。 国道240号線を使って、津別町に入ってから津別峠にアクセスするルートもありますが、 写真撮影目的なら屈斜路湖方面に抜けた方が景色が良く、お勧めだと思います。

屈斜路湖を見渡す美幌峠を抜けて、湖の方へと下ってしばらく走ると、西に折れて山へと向かう道路、県道588号線が表れます。 ここには大きな看板が立っているので、見逃すことはないでしょう。 ここを右折して山へと入っていくと、津別峠展望台へと向かう交差点にぶつかります。 そこからは林道を数分走れば、終点の展望台に到着です。 展望台は右上のようなヨーロッパ風の立派な建物で、初めて見たときにはびっくりしてしまいました。


遠望が美しい津別峠

津別峠展望台からの雲海 津別峠展望台のある場所は標高947mと高いので、眼下に屈斜路湖を見下ろすことができます。 残念ながらこの日は天気が悪かったので、屈斜路湖は見渡すことができませんでしたが、 天気が良ければ、知床半島の山々も見えると管理人さんが教えてくれました。

また、津別峠は雲海が美しい場所としても知られているそうで、 実際に明け方になると美しい雲海が屈斜路湖の上を覆っていました。 この雲海は大変広々としていて、奈良の山奥などで見られる雲海とはまた違った印象でした。

展望台の上に立って西方向から南方向に目を転じると、雄阿寒岳と雌阿寒岳が木々の向こうに見えていました。 展望台の一番上に立つと、視界を遮るものがほとんどないので、360度パノラマの遠望が開けます。 北海道の雄大さを感じられる場所だと思います。


津別峠の星空

津別峠展望台からの星空 津別峠の夜空は、本州とは違い全方向真っ暗という印象でした。 もちろんよく観察すると、南西方向に地方都市の光害が見えたりしましたが、その程度は小さく、 本州の観測地とは比べものにならない美しい星空が広がります。 これはカメラの適正露出からもよくわかりました。 星空のバックグラウンドが明るくなってくるには、本州の観測地の2倍程度の露出時間がかかりました。 奈良の山奥に出かけても、これほどの漆黒の星空に会うことはできないと思います。

この素晴らしい星空環境の下で見た天の川の流れは素晴らしく、天の川の白い帯がいつも以上にコントラスト良く見えました。 まさに全天プラネタリウムのような星空で、星々の輝きがいつも以上に鋭く感じました。

360度に渡って素晴らしい星空を見られる津別峠ですが、展望台は夜間は閉鎖になってしまいますので、 展望台東側にある広場や、駐車場の横から星空を眺める必要があります。 残念ながら駐車場の周りには、高い木が植わっているので、 撮影方向を考えて場所を選ばないと撮影する天体が木に掛かってしまいそうです。 また、東側の屈斜路湖を見下ろす広場からは、東方向の遠望は開けていますが、 西側は展望台自体が邪魔になってしまいます。 夜間でも展望台から星空を撮影できれば最高なのですが、こればかりは仕方ないですね。

津別峠の駐車場


津別峠の天候と自然

津別峠展望台の野生動物 津別峠はこの辺りでは、最も高い場所に位置しているので、晴天率はそれほど高くなさそうです。 実際に私が訪れた日も昼間は雨で、夜になってから晴れてくれました。 また、冬は積雪が多いのでアクセスすることは難しいでしょう。 気候の落ち着く秋や初夏の頃が周りの風景も美しく、訪れるには最適ではないでしょうか。

私が訪れたのは8月中旬でしたが、夜の気温は20度以下まで下がり肌寒く感じました。 緯度が高い北海道で標高が高いので、より気温が低いのでしょう、夏といえども防寒対策は必要だと思います。 ただ幸い湿度は低かったので、夜露はレンズに落ちてこず、快適な撮影を楽しめました。

また、この辺りには鹿や狐などの野生動物が多いようで、私も何度も遭遇しました。 初めは喜んで写真を撮っていましたが、最後の方は危ないな、と思うこともしばしばでした。 夜、峠に向かうときには、野生動物の飛び出しにいつも以上に注意した方がよさそうです。


津別峠にある「ランプの宿森つべつ」

ランプの宿 森つべつ 今回の撮影では、津別町にある「ランプの宿 森つべつ」を利用させてもらいました。 このホテルは、星空撮影地の津別峠から車で20分ほどのところに位置しているので、 撮影に疲れた後でもすぐ帰ることができ大変便利でした。 また、旅館自体も森の中に立っている一軒家なので周りに目立つ光害がなく、ここから見える星空も美しかったです。

木のぬくもりが感じられるホテル自体も大変居心地がよく、いろいろと手伝ってくださった支配人さんをはじめ、 気さくなスタッフの皆様には大変お世話になりました。 中でも地元知床半島でとれた素材を使った料理が大変美味しく、北海道の味覚に舌鼓を打ちました。 お風呂が温泉になっているのも良かったです。 星空観望で冷え切った身体を癒すには、温かい温泉が一番ですね。 また津別峠に訪れてみたいと思っています。

※積雪のため、毎年11月から5月までの間は津別峠へ続く道は閉鎖されます。 津別峠展望台に出かけるときには、事前に道路の情報を調べて行った方がよさそうです。

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