しし座流星群
しし座流星群は、毎年11月中頃に極大を迎える流星群で、2001年の大出現で一躍有名になりました。 こうした流れ星の大出現は流星雨とも呼ばれ、大変美しい光景なのですが、 通常の年は1時間に数個から10個程度の流星が観測できる程度です。
しし座流星群の流れ星
2001年に起こったしし座流星群大出現までで一番有名だったのは、1833年にアメリカで観測された大流星雨です。 当時の大出現の様子が絵として残っており、伝えられる話では一時間に5万個以上の流星が見られたといわれています。 これだけの流星が表れたら、何か吉凶のはじまりと思ってしまうのも無理はないでしょう。 当時の人の中には、地球の終わりと考えた方もいたと言われています。
2001年のしし座流星群の大出現は、事前に時間と見える場所が予測されていて、それがぴたりと当たったことが天文学的に大きな話題となりました。 流星群の極大時間の予測は大変難しく、なかなか正確には予想できないものですが、この時の予測は的確で、 そのお陰もあって多くの人が観測することができました。
この2001年代出現の時は、日本からは観測条件がとても良く、一時間に数千個の流星を観測できました。 全国的に天候にも恵まれたので、多くの人が観測を楽しめ、またこのしし座流星群によって天体観測に興味を持ったという人も多いでしょう。 またの大出現が楽しみな流星群であります。
しし座流星群の母彗星
流星は、地球の大気圏中に落ちてきたチリの粒が燃えて見えているわけですから、そのチリの粒を生み出す母天体があります。 しし座流星群の母天体は、テンペル・タットル彗星で、33年の周期で太陽の周りを公転しています。 この彗星が太陽に近づいたときに大出現が発生すると言われています。 前回、テンペルタットル彗星が太陽に近づいたのは1999年ですから、次回は2032年に帰ってきます。 この前後にまた大流星雨が降るかもしれません。
流星群を観察する方法
晴れていれば日本全国どこでも流れ星を見ることができますが、都心ではよっぽど明るい流星でないとみることができません。 暗い流れ星まで見るために、なるべく星空の綺麗な場所で観測するのがよいでしょう。 なるべく見晴らしがよいところがお勧めです。
また、流星群を観測する方向ですが、放射点だけにこだわらず広い範囲を見ておきましょう。 経験上、明るく見ていて感動する流星は、放射点から少し離れたところから走ることが多い気がします。 しし座流星群は、しし座のγ星付近が放射点ですので、そこを目安にして観測するとよいでしょう。
流星群を観測するにあたっては、双眼鏡や天体望遠鏡は必要ありません。 一度に広い範囲を見渡せる目で見るのが一番です。 できれば、ゴザか何かを持参して寝転がってみると楽に夜空を見上げれて良いでしょう。 また、冬の夜は寒いので防寒対策はしっかり行いましょう。
流星群の撮影方法
デジタル一眼レフカメラの発展のお陰で、流星も以前と比べると容易に写せるようになりました。 撮影方法自体は、星空を撮影する方法と同じで大丈夫ですが、暗い流星も写し込むために、レンズのF値を開放気味にして、 デジカメの感度も高めにしておくとよいでしょう。
流星群を撮影する時には、カメラの向ける方向に注意しましょう。 流星の中でも際立った活動をする流星群は、輻射点を中心として流星が放射状に流れてきます。 そのため、輻射点を中心にしてカメラの構図を合わせるとよいでしょう。
ただ、こうすると輻射点付近は流星の見かけ上の長さが短く、流星の迫力がかけるという意見もあります。 そのため、輻射点から遠く離れたところにカメラを向け、長く雄大な流星写真を撮るという方もいらっしゃいます。 逆にそうすると流星の見かけ上の速度が速くなるため、暗い流星が写りにくいという問題が出てきます。
上記のように、なかなか一概には言えない流星の構図ですが、しし座流星群の場合は、しし座の星座の形が入るようにして 構図取りすると何の流星群かわかってよいのではないでしょうか。
詳しい撮り方は、流れ星の撮影方法のページをご覧下さい。