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キャノンサンニッパレンズの改造とレビュー

サンニッパレンズと言えば、焦点距離が300ミリで明るさF2.8の望遠レンズです。 サンニッパはカメラファン憧れの高性能レンズで、各社から魅力的なレンズがラインナップされています。 残念ながら最新のサンニッパレンズは所有していませんが、古いキャノンNewFDレンズを撮影に使っています。 第2レンズに蛍石、第3レンズにUDレンズが使われた非常にシャープな望遠レンズです。 発売当時はサンニッパレンズの最高峰として高く評価されました。

このサンニッパレンズは、カメラマウントがFDマウントのため最新のEOSデジタル一眼レフカメラには取り付けられません。 そのためマウントアダプターを製作し、キャノンに限らず、ニコンやペンタックスのデジタル一眼レフカメラにも取り付けら れるように改造しました。

キャノンNewFD300mmF2.8L望遠レンズ

キャノンNewFD300mmF2.8L望遠レンズの概要

キャノンNewFD300mmF2.8L望遠レンズは、昭和56年に発売が開始されたレンズです。それまでのレンズ設計から 一新されたレンズ構成のお陰で、大変シャープな像を開放から結んでくれます。 発売当時は40万円以上もした高価なレンズですが、最近は中古品で10万円前後で売られているようです。

このキャノンサンニッパレンズのレンズ構成は、7群9枚で、蛍石とUDレンズをそれぞれ一枚使用しています。 レンズ最前面にはレンズ保護のために、平行平板ガラスが入っています。レンズ構成自体は、EFレンズに変わった 初めのサンニッパとほとんど同じになっています。重さは現行モデルのEF300ミリF2.8よりも軽くて2,300グラムほどです。


改造して最新のデジタル一眼レフカメラへ

キャノンEOSKissとニコンD50を取り付けた様子 このキャノンNewFD300mmF2.8Lレンズは、キャノンFDマウント仕様です。そのため、キャノンのF-1やT90と いったFDマウントのカメラにしか取り付けられません。 しかしフィルターボックスが外せるので、そこを外してマウントアダプターを取り付けました。

この際、ただ単にEOSマウント変換アダプターを取り付けただけでは面白くないので、ニコンやペンタックスのデジタル 一眼レフカメラも取り付けられるように考えました。

その方法として、高橋望遠鏡のワイドカメラマウントを使うことを考えつきました。 マウントアダプターのカメラ取り付け部分を、M54メスネジにしておくのです。もちろん光路長を考えておく 必要がありますが、こうすればワイドカメラマウントを変えることで、どんなデジタルカメラでも取り付け られるようになります。

右上の写真は、キャノンのEOSKissデジタルXとニコンD50を取り付けた様子です。 もちろんどちらもフォーカスはしっかり来ます。ただフィルターボックスを取り外しているので、撮影は 絞り開放のみとなってしまいます。アダプター根元のネジでカメラの回転(レボルリング)も可能にしました。


サンニッパレンズの像質

サンニッパレンズと言えば、スコーンと明るくシャープな写りに綺麗なボケが特徴です。 このNewFD300ミリレンズもその言葉通りの写りをしてくれるレンズで、銀塩フィルム時代は重宝しました。

この新しく作ったマウントアダプターを使って、キャノンEOSKissDXでテスト撮影してみました。 下がその画像です。20メートルほど離れた電柱を手持ちで撮っただけですが、なかなかコントラストの 高い写りでした。なお、下側の画像は中央部分の拡大画像です。

サンニッパのテスト撮影 中央部の拡大画像

オートフォーカスはないけれど

キャノンFD300mmレンズ AF全盛の時代ですから、古いマニュアルフォーカスレンズは人気がありませんが、写り自体は 最新のレンズと比べても遜色ないほどです。安く手に入れて遊ぶには絶好のレンズかもしれません。

ただ状態の悪い中古レンズも出回っていますので、その点は注意しましょう。 FDレンズの部品保有年数が過ぎてしまったので、キャノンのサービスに持ち込んでも修理できないことがあります。 その点を踏まえた上で楽しみたい古いサンニッパです。

なお、このサンニッパを星で使っていましたが、銀塩フィルムでは色収差は全く気にならず、 シャープな像を結んでくれていました。ただ周辺像はあまりよくなく、6×7判の隅になると星が流れていました。 もちろん35ミリ判では全く問題ありませんでした。35ミリ判のレンズですから、中判フィルムで 使うのがイレギュラーですよね。

最新のデジタル一眼レフを使って星をいくつか撮影しましたが、青ハロはほとんど発生しませんでした。 新しいEFタイプのサンニッパと変わらない写りではないかと思います(残念ながら撮影画像がどこかに紛 れてしまったので、見つけ次第アップいたします)。

しかし、星像のシャープさの面では、撮影用に作られた最新の望遠鏡には敵いません。 FSQ106ED+レデューサーレンズと星を写し比べてみると、望遠鏡のシャープな写りに驚愕させられます。 望遠鏡の結像性能は素晴らしいですね。そこまでの性能が必要ない方や、コンパクトなボディで手軽に 楽しみたい方向きだと思います。もちろん、カメラレンズですから一般撮影に使えるのも大きな美点でしょう。 ポートレート撮影にもよいかもしれませんね。

キャノンNewFD300mmF2.8Lのスペック

キャノンNewFD300mmF2.8の仕様を以下に示します。

名称 New FD300mm F2.8L
レンズ構成 7群9枚
絞り枚数 9枚
最小絞り 32
レンズ長と径 245mmX127mm
重量 2,310g

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