天文用語ミニ辞典
天体観測や天体写真撮影で使われる天文用語を簡単に説明しています。あかさたなでページを分けていますので、 下のリンクから各ページをご覧ください。
『さ行』
赤道儀
天体望遠鏡を載せる架台の種類の一つです。(ちなみに「せきどうぎ」と読みます) 回転軸が地球の地軸と平行になるように作られており、日周運 動によって動いていく星を追いかけやすい構造になっています。モーターが 内蔵された赤道儀は、電源を入れれば自動で星を追いかけていきます。天体写真を撮るには必需品です。 使いはじめは扱いにくいですが、使い慣れると大変便利な架台です。 ビクセンSXD赤道儀やタカハシEM200赤道儀がそれにあたります。
シーイング(シンチレーション)
大気の状態のことです。大気の気流の状態がよく星があまりまたた いて見えないときはシーイングがよいといいます。シーイングがよい日は、惑星の表面等 が安定して見ることができ観望最適日です。 逆に悪い日は、星がまたたいて見え、惑星表面も川面に写った像のようにユラユラ見えてしまいます。 一般的に日本では夏はシーイングがよく、冬場は悪いです。
星雲
星間ガスでできた宇宙の雲です。望遠鏡や双眼鏡で観望すると、もやっとした雲のよ うに見えます。また写真に撮ると色鮮やかに赤や緑に写ります。 星雲にも種類があり、形状などにより散光星雲、惑星状星雲などに分けられています。 特に有名なものとして、オリオン座にある巨大散光星雲オリオン大星雲が あります。肉眼でもかすかに見 え、双眼鏡では羽を広げた鳥のように見えます。
星団
恒星の集まったものが星団です。その集まり方によ り球状星団、散開星団などにわけられています。球状星団はその名の通り、星が球状 に集まっており、散開星団は星がまばらに集まっています。 有名な星団としては「すばる(プレアデス星団)」があります。肉眼でも見える散開 星団です。双眼鏡を使うととても美しく見ることができます。
視直径
惑星などの見かけの大きさを表す尺度です。視直径25秒というように○○秒と表し ます。視直径が大きいほど望遠鏡で覗いた時に大きく見えます。 ちなみに2003年地球に大接近した火星の視直径は25秒台。いつもの火星は4秒 程度の大きさで、前回の大接近ではいつもより6倍以上の大きさで見えたことになります。
集光力
天体望遠鏡がどれだけの光を集められる能力を表す数値です。一般的に肉眼の○○倍と表示 されています。望遠鏡の口径に比例して数値が大きくなります。 この数値が大きいほどより微細な光まで見ることができ、望遠鏡の能力が高いことになります。
星景写真
主に固定撮影の手法を使って、その地の景色と星空を撮影した写真のことをこう呼んでいます。 赤道儀を用いないで撮影するので、風景写真を撮っている方にも取っつきやすく初めやすい天体写真の分野です。 最近ではデジタルカメラを用いたデジタル星景写真も登場してきました。