からす座 Corvus
からす座は春の星座で、おとめ座のスピカの右下で輝いています。からす座は4個の3等星が 小さな四角形状に並んでいる星座で、春の南天で目につく星座です。 南の天体を探すときのよい目安にもなりますので、覚えておくと便利な星座です。形がまとまっているので、 一度覚えれば忘れない星座です。
からす座は小さな星座でありながら歴史的には古く、紀元前3世紀頃には登場しています。 プトレマイオスの48星座の中にも含まれており、古くから親しまれてきた星座の一つです。
ギリシア神話の中でのからす座
からす座のこのからすは、大神ゼウスの使いの烏と言われています。 古代、テッサリアにコロニスという美しい王女がいました。コロニスはこの美しさから、いつの間にか太陽神 アポロンに愛される身となります。アポロンはやがてこのからすをコロニスに送ります。 この烏は人間の言葉がわかる鳥で、ある日コロニスが人間の若い男と親しげに話しているのを見かけます。 それを神殿に帰ってアポロンに伝えたところ、アポロンは怒ってコロニスに矢を射てしまいます。 それがコロニスの胸に当たり致命傷となりコロニスは死にますが、お腹の中にいたアポロンの子だけは 助かります。アポロンは烏の告げ口を本気にしたことを悔やみ、この子をケイロンに預けて養育を任せました。
肝心のカラスは、余計な告げ口をした罪で白く美しかった羽を黒く変えられてしまいます。 天に上げられはしますが、いつも目の前のコップ座の水を飲めないように置かれたと言われています。
からす座の主な星
アルキバ
からす座のα星がアルキバです。 アラビア語のテントという意味の言葉です。アラビアでは砂漠に張ったテントとからす座を見ていたのでしょう。 テントとの他にも船の帆などともからす座は呼ばれていたと言われています。