おおいぬ座 Canis Major

おおいぬ座の画像 おおいぬ座は、オリオン座の後から昇ってくる冬の星座です。 おおいぬ座には、全天一の明るさを誇る恒星シリウスが輝いていますから、すぐに星座の位置がわかります。 このシリウスを目安に星座線を繋げていくと、右の画像のようなおおいぬ座が浮かび上がってきます。

おおいぬ座といえば、この明るいシリウスばかりが注目されますが、 星座内には4つの2等星が輝いていて、星座の形もよくまとまっています。 そのため、星空の綺麗な場所で星を繋いでいけば、大犬の形を簡単に連想することができます。 プトレマイオスの48星座でも登場している由緒正しき星座です。


ギリシア神話の中でのおおいぬ座

おおいぬ座となった大犬は、ギリシア神話の中では、オリオンの猟犬として登場しています。 その他にも、月の神ディアナのニンフが連れた犬としても伝えられていて、 とてもすばしこい犬だったので、ゼウスが感心して星座に加えたという話もあります。

おおいぬ座の神話に加えて、おおいぬ座α星のシリウスについての伝記がいろいろな国で残っています。 非常に明るい星ですので、シリウスは神格化されて崇められていました。

一番よく知られているのが、古代エジプトの話です。 古代エジプトでは、シリウスをアヌビス神として神格化していました。 約5000年前の古代エジプトでは、シリウスが日の出と当時に東から上ってくる日を一年の始まりとして定めていたのです。 シリウスの動きが、古代エジプト時代の全ての暦を司っていたわけです。

これは、古代エジプトを流れるナイル川がその頃になると毎年氾濫していたことと結びついています。 ナイル川が増水し始め、やがて氾濫する前触れを知る意味で、シリウスに古代エジプトは注目していたというわけです。


おおいぬ座の主な星

シリウス

全天一明るい恒星でマイナス1.5等級の青白い星で、冬の大三角を形作っている星の一つです。 シリウスというのは「焼き焦がすもの」という意味で、その明るさから呼び名が連想できます。 中国では「天狼星」とも呼ばれていて、全天で最も知られた明るい星です。

シリウスは連星であることが知られていて、明るいシリウスAという星の回りにシリウスBとういう伴星が回っています。 シリウスBは燃え尽きた白色矮星で、地球の2倍ほどの大きさと考えられています。

おおいぬ座vy星

おおいぬ座vy星は、赤色巨星として知られている星で、最も大きい恒星として知られていた天体です。 その大きさは赤色巨星として有名なオリオン座ベテルギウスよりも大きいと言われています。 おおいぬ座vy星は、超新星爆発が近いという説もあり、ベテルギウスと共に注目されている星です。 残念ながら実視等級は8等級と暗いため、肉眼では観測することが出来ません。 もし超新星爆発したら、明るく輝くことでしょう。


双眼鏡や天体望遠鏡で見るおおいぬ座

M41

M41は、シリウスのすぐ南で輝いている散開星団です。 低倍率の双眼鏡なら、シリウスとM41星団を同視野に捉えることが出来るでしょう。 散開星団なので、高倍率の天体望遠鏡で見るよりも20倍程度の双眼鏡で観望するのが美しい星団です。 星の色の違いに注意しながら観察すると面白いと思います。

星座写真ギャラリーのおおいぬ座の写真