ケフェウス座 Cepheus
ケフェウス座は北天で輝いている星座で、五角形をした星の並びが目立つ星座です。 カシオペア座の隣で輝いていて、3等星が3つの他には暗い星ばかりで構成されています。
ケフェウス座は古くから知られていた星座で、紀元前6世紀頃には知られていて、古代ギリシアの文献でも 登場しています。プトレマイオスの48星座の一つでもあります。
日本の四国地方では、備前の箕と呼ばれていたようです。箕は竹を編んで作る農作業の道具で、ケフェウス座の 星の並びをこの形に見立てていたようです。確かに見比べてみると、箕のように見えてきます。 豊かな田畑が広がっていた日本ならではの呼び名でしょう。
ギリシア神話の中でのケフェウス座
神話の上ではカシオペア王妃の夫、ケフェウス王として登場します。化けクジラに襲われたアンドロメダ姫の 父親に当たりますが、本人よりも周りの王女や王妃の方が有名になってしまっています。 星座も目立たない姿をしており、ケフェウス王の肩身の狭さが感じられるようです。
ケフェウス座の主な星
アルデラミン
ケフェウス座のα星がアルデラミンです。ケフェウス王の右肩にある星で、3等星の明るさがあります。 それほど目立たない星ですが、今からおよそ3000年後には、この星が北極星になるということで よく知られています。北極星が変わるのは、地球の歳差運動のためです。
ガーネットスター
ケフェウス座のμ星ですが、名前はケフェウス座の中で一番知られていて、星の中でも有名な一つです。 このガーネットスターの名付け親は、ウィリアム・ハーシェルで、この星があまりに赤く輝くので 「ガーネット色の星」と呼んだことから、この名前が使われるようになりました。 肉眼で見てもその赤さはよくわかりませんが、双眼鏡で見ると不気味に光るその姿がよくわかります。
IC1396星雲
ケフェウス座に位置している大きな散光星雲が、このIC1396星雲です。 非常に淡く輝いている星雲で、ガーネットスターの南寄りに広く拡散しています。 暗黒帯がたくさん走っていることで有名な星雲です。