かんむり座 Corona Borealis
かんむり座はうしかい座の隣にある星座です。小さな星座ですが、数個の星が半円状に美しく並んでいて、 名前の通り冠を連想させてくれます。形が整った星座なので一度覚えると忘れない星座の一つです。
かんむり座は、英語の綴りでは「北のかんむり座」と書きます。これを直訳すると「北のかんむり座」になりますが、 日本語訳は単なるかんむり座です。南天にも「みなみのかんむり座」という星座がありますから、本来は 北のかんむり座と呼んだ方が良かったかもしれません。
かんむり座はプトレマイオスの48星座にも数えられる星座で、古くから存在していた星座です。 日本でもこの星の並びは注目されていたようで「首飾り星」などと呼ばれていました。
ギリシア神話の中でのかんむり座
かんむり座のモデルとなったのは王女アリアドネの冠です。 ミノタウルスの神話の中でこの冠が登場しています。
ギリシアのアテネの町がクレタ島の王ミノスの支配を受けていた頃、アテネの町は毎年美少年美少女を7人ずつ 差し出すように命じられていました。クレタ島のラビリンスに住むミノタウルスという怪人に捧げるためです。
あるとき、テセウスという勇者がこのクレタ島行きに志願します。テセウスはミノタウルスを倒すために志願したのです。 無事にクレタ島に着くと、14人の少年少女達はミノタウルスの前に連れて行かれます。 その時、王ミノスの娘アリアドネは、テセウスの姿を見て一目惚れしてしまうのです。
テセウスは無事にミノタウルスを倒してアリアドネを連れてクレタ島を出発しますが、なぜか彼は アテネへの帰路途中の島にアリアドネを置き去りにしてしまいます。 残されたアリアドネは嘆き悲しみますが、その土地を支配していたディオニュソスに迎えられ妻となります。 その印として与えられたのが、この王冠だったと伝えられています。
かんむり座の主な星
アルフェッカ
かんむり座のα星がアルフェッカです。ゲンマとも呼ばれることがあります。 意味は「かけた明るい星」という意味で、この星座の半円形の形からこう名付けられたのでしょう。古代アラビアで から伝えられています。ゲンマというのは「宝石」という意味で、王冠にぴったりの呼び名ですね。