たて座 Scutum

たて座は、いて座の北で輝いている星座で、夏から初秋にかけてが見頃になります。 たて座は夏の天の川の中に位置しているので、星座の中にはたくさんの微恒星が輝き、 それが小さな雲のように見えることから、この付近は「スモールスタークラウド」とも呼ばれています。

たて座は17世紀のドイツの天文学者ヘベリウスが新設した星座です。 元々たて座は、「ソビエスキーのたて座」と呼ばれていました。 ソブエスキーは、ウィーンに攻めてきたトルコの大軍を破った勇者で、 その功績に観劇したヘベリウスが名前を付けたといわれています。

今ではそのソビエスキーという名前は消えて、単に「たて座」と呼ばれるようになっています。 星座絵を見ても、中世の戦闘に用いられた盾だけが寂しく描かれています。


たて座と神話

たて座は、ヘベリウスによって17世紀頃に新設された星座のため、 ギリシア神話には登場していません。


双眼鏡や天体望遠鏡で見るたて座

M11散開星団

たて座の天体と言えば、まず思い浮かぶのが散開星団のM11です。 M11はスモールスタークラウドと呼ばれる天の川の中にあり、双眼鏡を向けると視野一杯に星が広がります。 その中に集中度の高い散開星団M11が輝いていて、大変見事なながめを楽しめます。 観望だけでなく写真撮影にも向いた場所なので、カメラレンズを向けてみてもよいでしょう。

散開星団M26

M11の南に位置する散開星団で、明るさが9等と暗いのであまり目立たない天体です。 M26は、1750年頃ルジャンテによって発見された物で、メシエが後日観測してメシエ天体リストに入れています。 M11と比べると寂しい散開星団ですが、双眼鏡の同一視野に入ってくるので見比べてみるのも興味深いと思います。