キヤノン EOS Kiss Digital X
最近このキヤノンEOSKissデジタルXを購入して、一般撮影や天体写真撮影に使用しています。 非常に軽いのでどこに持っていくのも便利なカメラで重宝しています。また長時間ノイズが少ないので、天体写真を 撮る際にも助かっています。
私が購入した下の写真のキヤノンEOSKissデジタルXを使って、長時間ノイズなどあれこれと検証してみた 結果をこのページにまとめてみました。

キヤノンEOSKissデジタルXの概要
キヤノンEOSKissデジタルXは2006年の秋に発売されたカメラで、1010万画素のCMOSセンサーを持ったカメラです。 重さが約510グラムと非常に軽いのが特徴の一つで、キヤノンのデジタル一眼レフカメラ入門機種として位置づけられています。
このキヤノンEOSKissデジタルXは、天体写真用として非常に人気があるカメラの一つです。2007年現在、天体写真を撮る人に最も 人気のある一眼デジカメカメラだと思います。その最大の理由は長時間ノイズが少ないことです。 代々キヤノンEOSKissデジタルシリーズは、長時間ノイズが少ないことで有名でした。そこに、この1000万画素を超える 解像度とハンドリングを持つキヤノンEOSKissデジタルXが登場し、キヤノンEOSKissシリーズは天体写真用としての地位を確立し たと言えると思います。
また価格が安いことも魅力の一つです。発売当初は8万円以上したボディが、今では6万円で買えてしまいます。 2007年秋現在なら5000円のメーカーキャッシュバックも利用できるのでさらにお買い得なカメラです。
キヤノンEOSKissデジタルXの長時間ノイズ特性
上にも書きましたがこのデジタルカメラは、長時間ノイズが少ないことで有名です。 外気温18度でISO800に設定し、露出時間600秒で撮影したダーク画像(ダークフレーム)全景を下に載せてみました。 この画像は、カメラが保存したデータそのままの画像ですが、ニコンD70などで気になるアンプノイズは全く わからず真っ暗です。
※ダーク画像の撮影はカメラにキャップをして光が入らない状態で露光しています。もちろんノイズリダクション機能は使用し いません。 なお他のカメラとのノイズ量比較 はデジカメのノイズ比較ページをご覧になってください。

上の画像では小さくてわかりづらいので、上のノイズ画像のピクセル等倍部分を下に載せてみます。 こうしてピクセル等倍で見てもノイズはあまり目立ちません。

実際に写真を撮ったときには必ず画像処理で強調しますから、もう少しノイズが目立つ様になります。 そこでこのダークノイズを強調した画像(レベル補正で10倍に圧縮)のピクセル等倍画像を下に載せました。 さすがに強調するとノイズがあちこちに出てきますが、それでも少ない方だと思います。 ノイズリダクション機能を使ったり、ノイズ減算を行えば輝点ノイズも消えて滑らかになりそうです。

EOSKissDigtalXで撮った天体写真で検証
このEOSKissデジタルXで実際に撮った画像を見ながら、長時間ノイズを見てみましょう。 下がこのカメラを望遠鏡に繋いで撮影したすばるの写真です(撮影は光害が少ない場所で行っています)。 外気温や露出時間は上のノイズ画像と同じとなっています。なお画像は全く処理していない生の画像データです。

上の画像のメローペ星雲付近をピクセル等倍で見てみたのが下の画像です。 こうして拡大してみると星雲部分にざらつきが見えますが比較的滑らかで、それほど星雲を強調しないなら ダーク減算を行わずともある程度の作品に仕上がりそうです。

EOSキスデジタルXの高感度ノイズの検証
キヤノンEOSKissデジタルXのISO設定はISO100〜ISO1600まで可能です。 天体写真では長時間露光するのが前提となるため、撮影にはISO800がよく使われます。 しかし低照度下でなるべく速いシャッターを切りたい一般撮影のシーンでは、ISO1600もよく使用されています。 ここでは、そのような状況下での写真を見ながら、EOSKissデジタルXの高感度ノイズを見てみましょう。
下の画像はISO1600、シャッター速度1/160秒で撮影した写真です。全景を見てみるとそれほ高感度に設定した ことによるノイズは目立ちません。 私の好みから言うと、ノイズがある程度目立つことにより、デジタル臭いと言われる滑らかさがなくなり、銀塩 写真の様な風合いがあるようにも感じられます。

下がこの画像のピクセル等倍画像です。少しわかりづらいですが、よく見るとモアレの様なカラーノイズが あります。しかしそれほど目立つものではありません。画像処理ソフトのノイズ低減機能を軽く使えば、プリント しても綺麗に仕上がるレベルだと思います。

キヤノンEOSKissデジタルXの赤い星雲の写りやすさ
無改造のキヤノンEOSキスデジタルXを使って、オリオン大星雲を撮影してみました。その様子を見ながら 赤い星雲の写りやすさを見てみましょう。
まず夜空に輝く赤い星雲は、Hα光という特定の波長の光で輝いています。その波長の光は人間の見えないため、 カメラも赤被りを防ぐ意味でもカットしているようです。なので、無改造のデジタルカメラは赤い星雲が 写りにくくなっています。
下はこのEOSKissデジタルXで撮影したオリオン大星雲の写真です。 撮影には、タカハシのSKY90天体望遠鏡(レデューサー付き)を用いています。感度はISO400に設定、 露出時間は10分です。ノイズリダクションはOFFで、撮影後のノイズ処理もしていない撮影したままの画像です。
実際にこうして撮影画像を見てみると、やはりフィルター改造機に比べると、オリオン大星雲の赤い部分の写りは 弱くなっています。しかし青い星雲の写りは良好で、オリオン大星雲の上で輝くNGC1977という星雲はよく写っています。 これは上のすばるの画像からも想像できるでしょう。

下がこの画像のオリオン大星雲の部分だけを切り抜いたピクセル等倍画像です。 こうしてみると、星雲の赤が弱くて全体にシアンがかった色調になっていることがわかります。もちろん、カラーバランスで ある程度は補正することができますが、オリオン大星雲のまわりに広がる淡い赤い星雲は写っていません。 やはり赤い星雲を満足するぐらい写し出すには、フィルターの改造が必要になってきそうです。

キヤノンEOSKissデジタルXのスペック
名称 | キヤノンEOSKissDX |
有効画素数 | 約1010万画素 |
撮像画面サイズ | APS-C(22.3x14.9mm) |
記録メディア | CFカード |
連続撮影枚数 | 最高3.0コマ/秒 |
ファインダー視野率 | 95% |
ISO感度設定範囲 | ISO100〜1600 |
液晶モニター | 2.5型,約23万ドット |
重量 | 510グラム |