三菱RDT233WXレビュー
三菱の三菱RDT233WXは、視野角の広いIPS方式液晶パネルが使われた23型ワイドのフルハイビジョン液晶ディスプレイです。 応答速度が最高で3.8msと早いので、ゲームユーザーからも人気が高いようです。 価格がこなれてきたので、写真加工用のサブモニターとして購入してみました。
三菱RDT233WXの概要
三菱RDT233WXの販売開始は2011年5月末で、販売開始当時は3万5千円ほどの値段でした。 私が購入した2012年1月の価格は2万5千円。発売後1年が過ぎれば、三菱RDT233WXの価格は2万円前後に落ち着くかもしれません。 三菱RDT233WXには、RDT233WX-Sという光沢パネルが使われたグレアタイプもありますが、私は画面の写り込みが苦手なので ノングレアタイプを選びました。
三菱RDT233WXにはIPS方式のフルハイビジョン液晶パネルが用いられていて、画面解像度は1920×1080ピクセルです。 本体の重さは4キロ弱と非常に軽く、箱から取り出したときにはその軽さと薄さに驚きました。 ディスプレイのスタンドは調整式で、高さを3段階に変更することができます。 配送された時にはこのスタンドは取り外されていて、ユーザーが自分で取り付ける必要があります(ねじ込むだけなので簡単でした)。
この液晶ディスプレイには、パソコン用のDVI-D端子やD-SUB端子だけでなく、HDMI端子が2系統、D5端子も搭載されているので、 DVDプレイヤーやプレイステーション、任天堂Wiiなどを接続するのに好都合でしょう。 スピーカーも内蔵されていますが、お世辞にもよい音とは言えません(それでもアイオーデーターLCD-AD221Xのスピーカーよりは 随分とよいですが)。映像観賞用として使うのでしたら、スピーカーは別に用意した方が良さそうです。 ヘッドホン端子は画面の左側に装備されています。また、簡易なものですが、リモコンも付属しているのは便利な点です。
写真の画像処理に使う人にとってありがたいのは、EASYCOLOR!3というカラーマネジメントソフトウェアが標準で付属している点です。 色調整用のチャートが製品に同封されているので、カラーセンサーがなくても色調整が可能となっています。 この価格帯の液晶ディスプレイで、こうしたカラー調整ができるようになったのはありがたいことです。 なお、EASYCOLOR!3はWindowsXP環境では動作しないようです。
三菱RDT233WXの色再現性
三菱RDT233WX液晶ディスプレイの視野角は広く、多少頭を左右に振っても画面の色合いはTN型液晶のように変わりません。 ただ若干はグレーバランスが狂うような印象を受けるので、写真の画像処理に使うなら、なるべく画面正面から鑑賞した方がよいでしょう。 色域は、カタログによればsRGBの範囲をカバーしているということですので、一般的な用途には十分と言えると思います。 実際に画像を画面で鑑賞してみても、アンドロメダ銀河などの写真を色彩豊かに表現してくれます。 画面の輝度調整の範囲は広く、私の使用環境では標準設定にすると明るすぎるほどでした。
X-rite社のカラーマネージメントツールを使ってガンマ補正曲線を確認すると、右上画像のように若干グリーンが高めに調整されていましたが、 ガンマカーブはほぼ一直線になっていました。 この結果からすると、RDT233WXの色合はほとんど調整する必要はなく、工場出荷時でかなり正確な発色をしていると言えます。
前述の通り、このRDT233WXディスプレイには、EASYCOLOR!3というカラーマネジメントソフトと、色調整用チャートが同梱されています。 カラー調整の方法は、画面に色調整用チャートと同じ画像を表示させて、チャートと見比べながら色温度と明るさを調整していくという 簡単な方法ですが、カラーセンサーを使わずとも色調整が可能となっています。
画面の色温度の設定は、液晶ディスプレイのメニューから可能です。色温度は、ユーザープリセット、9300、6500、5000の中から選択可能です。 私はユーザーに合わせていますが、作業する場所の環境光に合わせて設定するとよいでしょう。
三菱RDT233WXモニターの液晶パネル
このMitsubishiRDT233WXには、コントラスト比は8000:1、最高輝度は250cdのIPSパネルが使われています。 ノングレアタイプの液晶ディスプレイなので、画面の写り込みを避けるために表面処理されています。 その表面処理にわずかな凹凸があるようで、明るい画像を表示させると画面に若干のギラギラ感を感じます。 離れれば問題ありませんが、私は画面のギラツキ感をよく感じてしまう方なので少し気になりました。 この感じ方には個人差があるので、店頭で現物を確認されてから購入される方がいいかもしれません。
また、RDT233WXには三菱のギガクリアエンジンによる超解像モードがあります。 これを使うと画面にアンシャープマスクがかかったような状態になり、画面がシャープに表示されます。 使ってみると違いは明らかにわかりますが、強く適用すると目が疲れそうです。写真の画像処理にはそれほど 必要ではなさそう、というのが現在の印象です。
まとめ
以前は2万円程度のワイド液晶ディスプレイといえば、価格は安いものの色の再現性が悪く、写真の画像処理に 使いにくいものばかりでした。 しかし今回このディスプレイを使ってみて、10万円クラスの液晶ディスプレイを購入しなくても、 写真加工に十分使えるモニターを手に入れられる時代になったと感じました。
もちろん、AdobeRGB色域やより滑らかな階調表現が必要な場面では、12ビットガンマ機能などに対応したより高価な ディスプレイが必要ですが、一般的な写真加工用途では十分な性能と言えると思います。 デジタル一眼レフカメラとこうしたモニターと組合わせて、撮影→画像処理と言うプロセスを 手軽に楽しめるようになったのは、喜ばしいことだと思います。
三菱RDT233WX液晶ディスプレイのスペック
モデル名 | RDT233WX |
液晶サイズ・方式 | 23, IPS |
解像度 | 1920x1080 |
画素ピッチ | 0.265mm |
応答速度 | 3.8ms |
パソコン入力端子 | DVI-D, ミニD-SUB15ピン |
ビデオ入力端子 | HDMI(2系統), D5端子 |
音声入力 | RCAピンジャック,ステレオミニジャック |
スピーカー | 2W+2W |
消費電力 | 49W |
重量 | 4.4キロ |