ニコンAF-S ZoomNikkor17-35mm F2.8Dのレビュー
ニコン AF-S ZoomNikkor17-35mm F2.8Dレンズは、ズーム全域でF2.8の明るさが魅力の大口径広角ズームレンズです。 フルサイズデジタル一眼レフカメラにも使える広角レンズですが、私はニコンD70と合わせてよく使用していました。 このニッコールレンズが登場したのは1999年の秋頃。私はニコンF4カメラのレンズとして購入しました。
ニコンAF-S ZoomNikkor17-35mm F2.8Dの概要と印象
このニッコールレンズのレンズ構成は10群13枚で重さは745g。EDガラスが2枚使われた 約2倍の広角ズームレンズです。 レンズは最大径が82.5mmと非常に大きく、持っているとズシリとした重さが感じられます。 重く大きいことを覚悟した上に、購入した方がよいでしょう。
このレンズの良い点は、最短撮影距離が全ズーム域で0.28mであることです。 今では珍しくなくなりましたが、当時は非常に重宝したレンズです。 レンズのフィルター径は77mm。レンズにはハードケースと花形フードが付属しています。花形フードは、 ニコンのいつもながらの簡素な安っぽいフードです。
このニッコールレンズは、レンズ内超音波モーターが入ったモデルです。AF中もフルタイムマニュアルフォーカスが 可能で、IFのためレンズ全長の変更はありません。AFは高速で無音のAF撮影が楽しめますが、モデルによっては AF動作中に「キーン」という音が出ることがありました。 幸い私のレンズは大丈夫でしたが、中古品を購入するなら気をつけた方がよいかもしれません。
ニコンAF-S ZoomNikkor17-35mm F2.8Dの価格
このニコンAF-SZoomNikkor17-35mmF2.8Dの定価は241,500円です。量販店での販売価格でも 16万円前後でしょう。非常に高価なズームレンズです。ミドルクラスのデジタル一眼レフカメラが 一台買えてしまうほどの値段です。
レンズの側面には、高級ニッコールレンズの証の金色のラインが走っています。 ちょっとした持つ喜びを感じさせてくれるレンズですが、その分価格が高く、非常に大きく重いレンズです。
ニコンAF-S ZoomNikkor17-35mm F2.8Dで撮った画像
このニコンAFS17-55mmレンズで撮った画像を載せてみました。 使ったデジカメはニコンD100で、絞り値はF7.1で撮影しています。 デジカメの設定はすべて標準です。パソコンでの画像処理は切り抜いただけで、それ以外は全くしていません。
このレンズはニッコールレンズらしい、コントラストの高い描写が魅力でした。言葉で言うと「カッチリ」写る という感じでしょうか。参考までに下にピクセル等倍画像も載せてみます。
古いデジタル一眼レフカメラなので、今のデジカメの画像と比べるとざらつき感が感じられます。 レンズよりもデジカメの進化の方がずっと早いですね。
ニコンAF-S ZoomNikkor17-35mm F2.8Dの星像
このニッコールレンズで星空を撮影してみましたので、その画像を下に載せてみました。 使ったカメラはニコンD50改造モデルで露出時間600秒、絞りF3.5です。星を点像に写すために小型赤道儀で追尾撮影しています。 被写体は冬の星座のオリオン座です。右に横倒しになって写っています。
星像には僅かに色がつくものの、非常にシャープです。高級ニッコールレンズだけある描写です。 次に中央部の等倍画像も載せてみました。
オリオン座の三ツ星部分です。よく見るとうっすら馬頭星雲も写っています。青ハロと言ってもこの程度ですから、全く気にならないと 思います。次に画像の右下部分のピクセル等倍画像を見てみましょう。
少し星が流れていますが、気にならないレベルです。星像もシャープですからF3.5でも十分撮影に使えそうです。 ニコン17-35mmF2.8Dは、フルサイズ用のレンズですから、APS-Cサイズの撮像素子だと余裕があるのでしょうね。全面綺麗な星像です。 非常に高いレンズですが、星用に使ってみても面白いレンズだと思います。ただニコンはマウント径が小さいので、 ニコンD3やD700といったフルサイズデジタル一眼レフカメラで使うと、周辺減光が大きく出てきてしまいそうです。