ペガスス座 Pegasus
ペガスス座は、秋に見頃を迎える星座です。 11月の夜8時頃に頭上を眺めると、明るさの揃った4個の星が四角形の形で輝いているのが目に留まると思います。 これは「ペガススの四辺形」と呼ばれいて、秋の星空を代表する星の並びです。
ペガスス座は、ペガサス座とも呼ばれることがあり、天馬ペガススの姿を形どった星座です。 ただし、星座の星の並びは、ペガススの上半身だけです。 星座絵でも上半身のみが描かれており、ほとんどの場合、下半身は雲に隠れています。
ペガスス座は、プトレマイオスの48星座の中にも登場しています。 四辺形の星の並びは目立つので、日本では「枡形星」と呼ぶ地方もありました。 また、アラビアでは「桶」、中国では「室宿(奥の部屋という意味)」、 インドでは「ベッドの枠組み」と呼ばれていたそうです。
ところで、ペガススの四辺形の北東の星は、アンドロメダ座のα星でもあります。 一つの星が二つの星座に使われるのは珍しく、この他には、ぎょしゃ座とおうし座のβ星があります。
ギリシア神話でのペガスス座
ギリシア神話では、ペルセウスがメドゥサ退治をしたときに生まれた馬として登場しています。 また、その後も、ベレロフォンが怪獣キメラを退治したときにも活躍しています。
天馬ペガススは、ペルセウスが妖怪メドュサの首を切り落としたときに出た血が、 岩にしみこんだ時に生まれました。 雪のように白く、銀色の翼を持つペガススは、勇者ペルセウスを乗せてアンドロメダ姫を助けます。
その後、ペガススは女神アテナの神殿で飼いならされますが、ある時、 コリント国の王子ベレロフォンが、国王からキメラ退治を命じられます。 ベレロフォンがアテナ神殿の前で成功を祈願したところ、女神アテナが現れ、 ピレーネ泉にいるペガススを授かりました。
ペガススの力を得たベレロフォンは、見事、怪獣キメラを打ち倒しますが、 その後、自分の力に自惚れてしまい、神になるために天界を目指します。 その様子を見ていた大神ゼウスは、一匹のアブを放ち、ペガススをチクリと刺します。 驚いたペガススは、ベレロフォンを振り落とし、そのまま天に駆け上がって、空の星になったということです。
ペガスス座の主な星
マルカブ
マルカブは、ペガスス座のα星で2.5等級の白い星です。 ペガススの大四辺形を形成する星の一つですが、固有名詞の知名度は低く、 マルカブという名前にも馴染みがありません。 天文ファンにとっては、ペガスス座のδ星(アンドロメダ座のα星)である「アルフェラッツ」の方が有名でしょう。
双眼鏡や天体望遠鏡で見るペガスス座
M15
M15は、ペガススの鼻先で輝く球状星団です。 6.2等級のため肉眼では見ることができませんが、双眼鏡を使用するとボンヤリとした小さな丸いボールのように見えます。 天体望遠鏡を使うと、集まる星々が分離されてきて見事な眺めを楽しめます。 M15は球状星団の中では大きく、見やすい天体ですので、秋になったら忘れずに観望したい対象です。
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