みずがめ座 Aquarius

みずがめ座は、10月下旬の夜8時頃、南の空の中ほどに見える星座で、秋の星空を代表する星座の一つです。

みずがめ座は大きな星座ですが、3等星以下の暗い星ばかりで構成されているので、 見つけづらい星座です。 ペガススの四辺形から見つける、小さな「Y」の形に並んだ星と、 みなみのうお座のα星フォーマルハウトを目印に探しましょう。

みずがめ座の起源は古く、古代メソポタミアの頃から存在していた星座だと考えられています。 ギリシア神話では、美少年の姿が描かれていますが、 古代メソポタニアでは、みずがめ座は水の女神の姿と考えられていたようです。

みずがめ座は、黄道12星座の一つです。 星占いの世界では「宝瓶宮」になります。 1月20日から2月28日生まれの方が、宝瓶宮にあたるとされています。


ギリシア神話でのみずがめ座

ギリシア神話の世界では、みずがめ座は神々にお酒をつぐ美少年ガニュメデスが、 水がめをもった姿とされています。

ガニュメデスは、トロイア国に住む美しい少年でした。 彼の美しさは誰もがうっとり見つめてしまうほどで、若さに輝くガニュメデスの身体は黄金に輝いていたといいます。

そんなとき、天界では、英雄ヘラクレスと女神ヘラの娘へーべが結婚することになりました。 へーべは、オリンポス宮殿で神々にお酒をつぐ役目を司っていたので、 彼女の後継者が必要になりました。 その時にゼウスが目に付けたのが、ガニュメデス少年でした。

ゼウスは大きな鷲に姿を変えると、トロイアの高原に向かい、ガニュメデスを見つけると、 急降下して少年を連れさらってきました。 それ以後、ガニュメデスは、神々の宮殿でお酒を注ぐ役割を担うようになり、 夜空には、彼を形どった星座が輝くようになったということです。


みずがめ座の主な星

サダルメリク

サダルメリクは、みずがめ座のα星です。 3等級と暗いため、夜空の明るい都会では見ることさえ難しい星です。


双眼鏡や天体望遠鏡で見るみずがめ座

らせん星雲 NGC7293

みずがめ座は大きな星座ですが、暗い星ばかりで目立たたない星座ですが、 全天の中でも最大級の大きさを誇る惑星状星雲「らせん星雲」が輝いているので、天文ファンには馴染みがある星域です。

らせん星雲は、地球から約700光年離れた宇宙で輝く天体で、 夜空の暗い観測地なら、双眼鏡でもぼんやりと姿を確認できます。 写真に撮ると、星雲の周囲が渦を巻いているように見えることから、「らせん星雲」の呼び名が付けられました。

惑星状星雲は、太陽ぐらいの大きさの星が、一生を終えるときに見せる姿です。 ゆっくりと広がっていくガスが、中央の星が出す紫外線を受けて光っていると考えられています。

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