みなみのうお座 Piscis Austrinus
みなみのうお座は、秋の夜、南の空の低い位置で輝く星座です。
みなみのうお座は、みずがめ座と繋がった星座で、 星座絵を見ると、水瓶から流れる水を口で受け止める魚の姿で描かれています。 秋の夜空でただひとつの一等星、フォーマルハウトをα星に持つ星座なので、 見つけやすい星座です。
フォーマルハウトは、全天で21個ある一等星の中では決して明るい方ではありませんが、 他に明るい星がない秋の南の空ではよく目立ちます。 ただその輝きはどことなく寂しく感じられ、夏が終わって冬に向う秋の季節にぴったりの星と言えるかもしれません。
ギリシア神話でのみなみのうお座
ギリシア神話の世界で、みなみのうお座について語られることは少なく、 星座のモデルははっきりしません。 しかし、一般的には、みなみのうお座の魚も、うお座と同じく、女神アフロディテの化身だとされています。
神々が宴を催している最中、怪物テュフォンが襲ってきたため、魚に化けて逃げたときの姿が星座になったということです。
みなみのうお座の主な星
フォーマルハウト
フォーマルハウトは、みなみのうお座のα星です。 秋の星空の唯一の1等星のため、よく目立つ星です。 フォーマルハウトから地球までの距離は約25光年ですので、比較的近距離にある星です。
フォーマルハウトの明るさは1.2等級なので、一等星の中ではそれほど明るい星ではありませんが、 思いの外人気がある星です。 好きな星のアンケートなどを実施すると、フォーマルハウトは上位に入ってくることが多く、驚かされます。 フォーマルハウトという名前の響きが、好まれるのかもしれません。
ちなみにフォーマルハウトは、アラビア語で「魚の口」という意味です。 みなみのうお座の口の部分で輝いていますので、ぴったりのネーミングですね。
双眼鏡や天体望遠鏡で見るみなみのうお座
残念ながら、みなみのうお座には、双眼鏡や望遠鏡で楽しめる天体はありません。 みなみのうお座のすぐ上で輝くみずがめ座には、有名ならせん星雲が輝いていますので、 フォーマルハウトを目印にして、探してみましょう。
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